日曜日, 7月 25, 2010

恐竜右翼


E-300;ZD12-60mm

「恐竜は鳥になった」

なんて平気で言う人には、
月にかわってお仕置きしてあげたい。

そもそも、恐竜→鳥というのは、
僕が記録する限りジュラシックパークあたりから一般に有名になった説だ。
その後、モンゴルや中国辺りでいくつかの羽毛をもつ恐竜の化石が見つかり、
ティラノサウルスの近縁種にも羽毛があったことから、
今やティラノサウルスのCGにも羽毛が生えていたりする。

図鑑に描かれたイグアノドンが直立二足歩行だった頃に
恐竜に無類の憧れを抱いていた恐竜少年(僕)にとっては、
ティラノサウルスに羽毛なんて、全く嘆かわしい姿。
だってティラノサウルス(=暴君トカゲ)に鳥の羽ですよ!
ティラノサウルスに羽毛が確認されたという決定打もないままに。。
これは、侮辱に値する許しがたい行為で、
怒り心頭のあまり、足がつりそうになります。

オレが憧れている恐竜はそんなんじゃない!
鳥なんぞと一緒にするな、あっち行け!


と、いささか取り乱したところで、
以下少しめんどくさい話。

先日、NHKの『恐竜絶滅 ほ乳類の戦い前編 新たな強敵』
という番組を見た。
番組内では、なんやかんやあって恐竜は鳥になったのだという。
これでは、全ての恐竜が鳥になったかのような誤解が生じる上、
僕としても全く納得がいかなかったので少し調べてみた。

まず、「恐竜」とひとえにくくられているが、
学術用語としての恐竜は、翼竜、魚竜、首長竜を含めず、
分類学上は、爬虫綱の竜盤目(トカゲっぽい骨盤の恐竜.例:ヴェロキラプトル、ティラノサウルス、ブラキオサウルス)と鳥盤目(鳥っぽい骨盤の恐竜.例:イグアノドン、ステゴサウルス、トリケラトプス)に属するものを指しているようす。
(ただし、他論では、恐竜綱として独立させることや、鳥類綱とくっつけようという話もあるらしい・・・。)
そして、「恐竜」の中で現在鳥になったものの祖先として考えられているのは、
この竜盤目の中の獣脚類(ティラノサウルス・ヴェロキラプトル・ディノニクスなど)
ということだそうだ。
ここまででわかるように、恐竜→鳥になったと考えられているのは、
恐竜の中でもごく一部である。
(この図でイメージをつかんでみて)

では次に、僕が思った鳥と恐竜の違いについて2つのこと、
1.骨の中空構造は?
2.歯はどこへ行った?

1.鳥と言えば空を飛ぶための軽い骨。
恐竜は、果たしてそんなんだったんかと。
でも、どうやら前述の獣脚類のコエロフィシス(初期の小型の獣脚類)の化石には、中空構造が認められているらしい。
チクショ。

2.恐竜と鳥の大きな違い。くしばし。
僕としては、歯が無くなってくちばしが発達ってちと考えにくい。
ただ、現生の爬虫類には、歯があるもの歯がないものがいるし、
カメなんかはくちばしと呼べるそれがある。
で、実はカメ、プロガノケリスという三畳紀の地層から出てくるカメには、
どうやら歯があった様で、それはそれで興味深い。
そして、リムサウルスという恐竜にもくちばしがあった様で、
後述の前足の指なんかも鳥に近いとのこと・・・。
チクショチクショ。

と、いうことで、まっこと不本意ながら、
客観的には、どうやら「恐竜」とされている生き物の
極々一部は、鳥の原型と考えても仕方がないようだ。
(上記の他にもケチをつけたいところはいっぱいあるが、
長くなるので割愛)

今回調べてみて面白かったのは、
恐竜→鳥に異を唱えるアラン・フェドゥーシア氏の仮説。
ウィキペディアの鳥類→進化を参照されたし。


古生物学は、出土したものを手掛かりにあれやこれやと推理しているため、
時代とともに学説は大きく変わる。イグアノドンの歩き方の様に。
だから、今やっている恐竜特集系の番組だって、うそ800。
(「今」最も真実に近いと考えられるものを基にしている。大切なことだよ。)
ひょっとしたら殆どあり得ない妄想に変わるかもしれない。

ということで、
僕はまだ「恐竜→鳥」認めてない。


しかし、恐竜、改めて興味深いなと。


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